完成:2022年予定
敷地:鹿児島県大島郡
用途:一戸建ての住宅
構造・規模:木造1階建て
敷地面積:409.57㎡(123.9坪)
建築面積:97.81㎡(29.6坪)
延床面積:86.53㎡(26.2坪)
構造設計:円酒構造設計
施工管理:政建設

集落の中の、緑に囲まれた敷地における戸建住宅の計画。

【矩形の平面】【切妻や片流れの屋根】はコストを抑えやすい・プレカットしやすいというメリットを持つ反面、かつて島で作られてきた古民家にある配置の豊かさを失わせており、工業的なコンテクストを持つ建築形式である。
ここでは懐古主義的に過去の伝統形式をなぞるのではなく、現代のその工業的な建築形式に過去の伝統的な住居が持つ因子を継承することにより新たな形式が生み出せないかと考えた。過去と現代の平面・屋根形式のハイブリッドを試みている。

どこにいても家族を感じられるような空間ながらプライバシーを調節しながら暮らすことができ、かつ緑豊かな敷地で外部空間と連続させるため、夫婦の寝室と水廻り以外の機能を十字路状につなげる形式とした。
十字路の交差点に当たる空間は床が一段下がっており、立つ・座るという行為によって家族との視線の交わり方に変化が生じるスペースとなっている。
かつての住宅では【外周を結ぶ廊下(広縁)空間】と【建具の開閉という行為】が担っていた家族内における個々人の距離のコントロール・外部空間との接続を、よりコンパクトな床面積で成立させるための空間形式を目指している。

そこに奄美大島の古民家に多く見られる【緩勾配の入母屋】と、近年作られる住宅に見られる【切妻】をハイブリッドした形式の屋根をかけている。入母屋の隅木が持つ仕口の複雑さを回避し、プレカット可能な小屋組みとしながらもかつての屋根形式が持っていた佇まいを想起させるようなプロポーションを目指した。

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