小さな家

©小野良輔建築設計事務所
©小野良輔建築設計事務所
©小野良輔建築設計事務所
©小野良輔建築設計事務所
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元
©株式会社アトリエあふろ 古川 公元

完成:2025年8月
敷地:鹿児島県奄美市笠利町
用途:一戸建ての住宅
構造・規模:木造1階建て
敷地面積:264.45㎡(80.0坪)
建築面積:24.84㎡(7.5坪)
延床面積:24.84㎡(7.5坪)
構造設計:円酒昂/円酒構造設計
施工管理:青井実/アオイ・ホーム
建築写真:©小野良輔建築設計事務所/©株式会社アトリエあふろ 古川 公元

現代社会は個人が建築を作ることに対して厳し過ぎると感じることがある。
物価上昇や可処分所得の低下、消費税、省エネ法や建築基準法改正といった個人の努力ではどうにもならないシステムがそうさせている。

60代を迎えるご夫婦が退職後に奄美へ移住し第二の人生を送るための小さな住宅である。
こんな時代に第二の人生を好きな場所で始めたいというクライアントの思いは、社会全体でみればとても小さな願いかもしれない。しかし、今しか実現できない大切な願いである。
これはその小さな願いを形にするためのプロジェクトである。

新たな生活を始めるための条件として「徹底的なローコスト」が求められ、エアコンなどを含む設備込みで1,200万円以下という工事費で実現した。(※税別)
プランは、土間の大きな空間を耐力壁でもある半間の袖壁がセパレートする居室と、シャワー・トイレ・洗面・洗濯機というシンプルな水回りから構成される。
夫婦仲の良いクライアントゆえに成立する非常にコンパクトなものであるが、天井や開口のスタディによって住空間として圧迫感なく成立するものを目指した。
また南面の深い軒、壁・屋根の通気・断熱といった島の住宅が備えるべき基本的な性能も満たしている。

この建築はシンプルな構造体に、住むために必要な最低限の設備と仕上材によって形づくられる。
合理化を徹底するための寸法体系は、基礎と水下の梁天端を起点に紐づけられ説明可能なものとなっている。
通常、基礎梁→立上りと2回に分けられる打設の工程を1回で完了するために考案した立上りの無い基礎形状は、仕上を施さずそのまま床となる。住宅瑕疵担保保険で求められる基礎立上り高さ=300mmをFLとした。床板に設置した土台から水下の桁までの寸法は合板の規格である1,820mmとし、合板耐力壁による構造としている。
そうして決定した水下の桁高さを起点とし、軒高(水上の桁高さ)は外壁である窯業サイディング板の規格である3,030mmを近似値とし、そこから屋根と外壁の頂部に設ける通気層の出口寸法とリンクする破風板のサイズ、南の日射を防ぐ日除けと玄関の雨除けのための軒寸法を確保することができる屋根勾配など、様々な要素を相互に関係させながら寸法体系を整理していくことでこのプロジェクトを実現させている。

コメントを残す