奄美自然環境研究センターAWRC

完成:2026年7月
敷地:鹿児島県大島郡龍郷町
用途:事務所(リノベーション)
改修面積:111.77㎡(33.8坪)
施工管理:青井実/アオイ・ホーム
建築写真:©中山保寛写真事務所

閉鎖した倉庫付き事務所を別事業者のオフィスとしてリノベーションしたプロジェクト。
旧オフィスを立ち退く必要に駆られたクライアントの引越し先として、計画が始まった。

計画にあたり、備えるべき機能等がクライアントからいくつか提示された。
・机数を大幅に増やすこと
・執務室を2区画に分けること
・什器や家具はほぼ全て旧オフィスから移設すること
・壁に断熱改修を施す
・トイレを男女別に
これらの要望に対しプロジェクト予算はかなりのローコストであったため、最低限の改修で効果を最大化するような設計が求められた。結果として、本プロジェクトは解体・設備込みで約40万円/坪程度に抑えている。

既存の建築はフロアの半分が資材倉庫であり、残り半分の事務所空間とは扉を隔てて分断されていた。また、倉庫特有の大きなシャッター付き開口部だけでなく、全体的に腰窓が数多く付いており、自然光が申し分ないほど差し込む環境であった。
そこで、外壁の採光を活かすよう水廻りのコアを囲むようなコの字の平面形式として、光が全体に廻る明るい執務空間とすることを考えた。結果的にこの形式は建築の造作範囲を最小限にとどめることにも寄与している。
外周部は断熱材裏打ちのボードの上に白いビニルクロスで仕上げた。シャッター付き大開口の室内側にポリカーボネートの框戸を設え、既存の明るさを損なうことなく環境を整えている。
OA機器のための電源等は天井に設けたケーブルラックから供給する事で、将来的な模様替えにも対応しやすいものとしている。

リノベーションは何でも自由にできる新築とは異なり、主題としての継承があろうとなかろうと、手を加える既存部の特性に否が応でも影響される。
既存部のポジティブな特性を活かし残す事で、手を加える範囲を狭めるほどにより空間の独自性を持つ骨子が浮かび上がるのではないか。

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